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モダンダンサーとしての成功を夢見る少女の成長を描くNetflixオリジナルノルウェー映画「ダンスバトル」を見た感想!

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私は、北欧の中でもノルウェー推しなので、見ることができる限り、片っ端からノルウェー作品を紹介している弊ブログ。これまでもたくさんのノルウェー作品をご紹介していきましたが、まだまだありますよ~!

 

これまでに紹介したノルウェー作品↓↓

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今回は、ノルウェーのダンス学校に通い、プロのモダンダンサーを目指す主人公の成長を描いたNetflixオリジナル映画「ダンスバトル」を紹介します。ダンスがへたっぴな主人公が、物語途中で覚醒して、ライバルに打ち勝ってダンスの世界で成功する…といったようなド定番のストーリー展開というわけでもなかったのが、面白かったです。

 

一見キラキラ青春映画のように見えるんですが、意外に内容はキラキラしていません。というのも物語序盤で、お嬢様の主人公アマリエが、父の破産によって、突然貧しい生活を送らなければいけなくなるという点にあります。生活の変化に気持ちがついていけない様子や、人間関係にうまく対応できないアマリエの姿がリアルに描かれていました。環境の変化にうまく対応できないがゆえに発生してしまう修羅場があります…。正直、完全にアマリエが悪いと言えば、悪いのですが、若さゆえのものだったのかなと思うと、非常にリアルな描写だったなと思います。裕福な友人が多い中で、いきなり自分が貧しい立場に置かれてしまうのですから…。(ただ、修羅場のシーンは、本当につらかった…。)

 

言わずもがなというところですが、この映画は、全てのダンスシーンが見逃せません!アマリエは、ミカエルに導かれ、ダンスバトルに出会います。ダンスバトルとは、その場で流れた音楽を聴き、対峙するダンサーが即興で交互に踊りあい、どちらがより優れたダンスをできたかその場で競い合う競技です。さまざまなダンスの要素を取り入れた総合競技のようなもので、見ていて非常にわくわくしました。即興で踊るとか凄すぎ…。実際に、ダンスバトルって世界各地で行われているみたいですね。

 

それに役者たちのダンスシーンも非常に素晴らしかった。アマリエを演じたLisa Teigeは、ノルウェー発の大ヒットドラマシリーズ「SKAM」にも出演した人気女優。演技もうまくて、これだけ踊れるなんて、この作品を通じて、ますますファンが増えたことではないかな…と思います。最後のダンスシーンは、圧巻でした。

圧巻のダンスシーンが見所の映画「ダンスバトル」を紹介します!

 

【目次】

 

 

 

作品紹介

 

「ダンスバトル」(原題:BATTLE)

Netflixオリジナル映画

制作:2018年

時間:98分

音声:ノルウェー語(英語、ポルトガル語も選択可能)

字幕:日本語(ノルウェー語、英語、ポルトガル語、韓国語も選択可能)

 

 

 

あらすじ

 

ノルウェーにあるダンス学校に通いプロのダンサーとして成功することを夢見るアマリエ。しかし、彼女のダンスの実力は、イマイチ。ダンスの先生からは、アマリエのダンスからは何も感じないと言われてしまう始末。そんな中、学校ではオランダで有名なダンススクールのレッスンへ参加するためのオーディションが開催されることに。チャンスを手にするために、アマリエは練習に励む。しかし、事業がうまくいかず、父親が破産。アマリエ一家の裕福な暮らしが一変。アマリエは、貧しい地区に引っ越しを余儀なくされる。生活の変化に戸惑うアマリエだが、そこでヒップホップダンサーのミカエルと出会い、新たなビートを知ることに…。

 

 

 

登場人物

 

登場人物を紹介します!

アマリエ

プロのモダンダンサーになるため、レッスンを受けていたが、父の破産により、生活が一変。裕福な生活から貧しい生活を送らなければならなくなったアマリエは、父の破産について周囲に隠しながら生活する。生活の変化に戸惑いながらも、ヒップホップダンサーのミカエルに出会うことで、ダンスを楽しむ気持ちを思い出し、新たなビートの中で踊ることを見出していく。

 

アマリエを演じたLisa Teigeはノルウェー出身の女優。ノルウェー発の大ヒットドラマ「SKAM」にも出演した人気女優さん!

 Netflixオリジナルノルウェー作品って、「SKAM」出身の役者を起用しがち。物価や賃金が高く、制作費がかかりやすいと言われている北欧で作られているからこそ、キャスティングは失敗したくないんだろうな…とは思います。

 

「SKAM」出身俳優たちが勢ぞろいのNetflixオリジナル作品↓↓

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ミカエル

貧困層が多く住む地域に住むヒップホップダンサー。アマリエのダンスの才能を見出し、ダンスバトルへアマリエを連れ出す。ダンスを通じて、アマリエと心を通わせていく。

 

 

 

感想

 

アマリエの生活を通じて知るノルウェーの2つの世界

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北欧というと、自然が非常に美しく、家も北欧デザインの家具でそろえて生活を整えているようなイメージが強いですよね。北欧のような生活のイメージに憧れを抱いている人も多いかと思います。しかし、実際そうした生活を送ることができるのって、どこの国においても、お金や生活に余裕がある人に限られてしまうのかなと思います。

 

「ダンスバトル」では、アマリエの生活の変化を通じて、ノルウェーの裕福層だけでなく、貧困層もクローズアップされています。

裕福層の生活は、アマリエの裕福な友人たちの生活ぶりからも明らかです。特に、アマリエの彼氏が超金持ち。ヨットを貸し切って海に出たり、大きなパーティーを開催したり…凄すぎました。彼氏がアマリエを秘密の場所に案内するシーンがあるのですが、そこには私たちの憧れる北欧の世界観が詰まっていたと思います。

このシーン、美しすぎてため息でたわ…。ノルウェー行きたくなりました。

 

その一方で、対照的に描かれるのは、貧しい生活を送らなければならなくなったアマリエです。元々のアマリエの家は、プール付きの豪邸。しかし、アマリエの引っ越し先で用意されていたマンションの一室は、小さく、古く、壁も薄いため、周囲の生活音が聞こえてきてしまうような部屋でした。そこには、私たちが憧れるような北欧感はまるでありません。引っ越し先の貧困層が多く住むエリアは、移民たちが多く、白人はほぼいない様子が見てとれます。裕福層と貧困層が存在し、住み分けが発生しているのは、北欧諸国でも起こっていることだろうと思います。北欧を取り扱った作品は、どうしても北欧の美しい自然、インテリアやデザイン、素朴な暮らしぶりなどが注目されがちになりますが、それだけではなくこうした現実的な一面を描き出すのは、本作が他の北欧作品とは異なる点かなと思います。

 

 

 

生活の変化に葛藤するアマリエの姿は、リアルだった!

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父親の都合でいきなり家を差し押さえられて、貧乏な生活を余儀なくされるアマリエ。周りの友人たちもお金持ちが多いこともあって、アマリエは誰にも現実を伝えることが出来ずにいました。今まで通り裕福な偽りの自分を演じ、その裏では、ミカエルたちと心を通わせていきます。

 

中途半端な生活を続けられるはずもなく、次第に歯車がかみ合わなくなっていくのですが、それは完全にアマリエの振る舞いが原因です。とんでもない修羅場も待ち受けているのですが、自業自得という感じ。もしかするとアマリエに共感できなかった視聴者もいるかもしれません。

 

しかし、まだ10代の若い女の子にとって、この生活の変化がいかに衝撃的かということを考えると、彼女がうまく変化に対応できなかったことも同情できるのではないかなと思います。そういう意味では、アマリエの葛藤や行動の全ては、すごくリアルな描写だったのではないかなと感じます。

 

 

 

躍動感いっぱいのダンスシーンが見所!

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モダンダンスを専攻しているアマリエ。物語冒頭では、正直そこまでダンスが上手ではない設定。正しく踊っているのに、先生からは「全くダメ」と言われてしまうほどのアマリエでしたが、物語が進むにつれて、どんどんダンスが上達していきます。その上達の背景にあるのは、ヒップホップダンサーのミカエルとの出会いです。

 

ミカエルやその仲間、ダンスバトルで繰り広げられるダンスの数々は、画面越しに見ても躍動感があり、心をつかまれるものばかりでした。ヒップホップダンスを通じて、アマリエは、ダンスの技量を高めていっただけでなく、音に合わせて、自身の感情を表現することができるようになったのではないかなと思いました。

 

役者が本当に踊っているので、これは本当にすごいことだな~と思います。演技もできて、ここまで踊れる俳優さんたちがいるってあっぱれでしかない…。特に、ダンス好きな人は、見ていて楽しめると思います!

 

 

まとめ

 

ダンスと青春を掛け合わせたノルウェー映画なんて、とてもコアな作品だったけど、結構リアルに人間関係が描かれた青春映画だったのと、ダンスシーンが良くって、私は好きでした。1時間30分の映画ですが、ダンスシーンが多いので、非常にさっくりと見続けることができました。

 

同じノルウェー映画でダンスというとバレエの世界で成功することを夢見る少年3人に迫ったドキュメンタリー映画「バレエボーイズ」もよかったです。

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舞台やショーを見に行くのは、まだなかなか難しいので、こうした映画で楽しむのはいいですよ~!皆さんも是非!

 

 

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