わたしとあなたのホームシアター

北欧好きがおうち時間を満喫する

ノルウェー発のNetflixオリジナル作品「ラグナロク」シーズン2を見た感想!北欧神話と現代の社会問題を掛け合わせが面白い!

f:id:NatsuminScandinavia:20210604001703p:plain

 

北欧ノルウェー発の人気Netflixオリジナル作品「ラグナロク」のシーズン2が、この度配信となりましたので、早速みてみました!!!

 

 

待ちに待った「ラグナロク」のシーズン2、めちゃめちゃ面白かった!!!北欧好きの人であれば、必見のストーリー展開です!!

ここから先は、「ラグナロク」シーズン1のネタバレが含まれています。ネタバレなしで「ラグナロク」を見てみたい人は、シーズン1の紹介記事をご覧ください!

 

www.natsuminscandinavia.com

 

【目次】

 

 

作品紹介

 

ラグナロク(原題:ragnarok)

シーズン2 全6話(1話 約50分)

Netflixオリジナル作品

音声:ノルウェー語(英語、ポルトガル語も選択可)

字幕:日本語(ノルウェー語、英語、韓国語、ポルトガル語も選択可)

 

 

 

あらすじ


www.youtube.com

ヨツール工業の悪行によって、水が汚染されていたことを知るエッダの人々。トールとしての自身の能力に目覚めたマグネは、仲間を引き連れて、巨人へ戦いを挑む…。

 

 

 

登場人物

 

マグネ:David Stakston

雷神(トール)の力を持つ少年。強靭な力を手にしたマグネは、巨人との闘いに備え、北欧神話に登場するトールの最強の武器、ハンマーを探し始める。

 

 

フィヨル:Herman Tømmeraas

ヨツール家の長男かつ巨人。恋人グリーと人間としての生活を歩み始めようとするも…。

 

 

サクサ:Theresa Frostad Eggesbø

ヨツール家の長女かつ巨人。ヨツール家の跡継ぎ問題をめぐって、フィヨルと対立する。

 

 

 

ラウリッツ:Jonas Strand Gravli

マグネの弟。自身のアイデンティティに対して、悩みを抱えている。

 

Jonas Strand Gravliは、Netflixオリジナル作品「7月22日」で主演をしています。ノルウェーで起こったテロ事件を描いた悲しい作品。

www.natsuminscandinavia.com

 

 

イマン:Danu Sunth

マグネのクラスメイト。古の力を授かり、マグネに協力する。

 

 

 

オーディン:Bjørn Sundquist

エッダに住む老人。片目を眼帯で覆い、電動の車いすに乗っている。イマンが働くホームで暮らしている。

 

シーズン1から謎めいていたオーディン役のBjørn Sundquistは、シーズン2から大活躍!Bjørn Sundquistは、ノルウェーを代表する名俳優さんです。「ハロルドが笑う その日まで」にも出演中!!

www.natsuminscandinavia.com

 

 

感想

 

より深く面白く描かれる北欧神話のエッセンス

「ラグナロク」は、北欧神話に登場する神々や巨人たちが、現代でもまだ生きていたら…といった設定の元、物語が進行していきます。

 

特に、シーズン1では、マグネが一体何者なのか…。ヨツール家は、どういった存在なのかということが、北欧神話のエッセンスに即して描かれていました。

 

シーズン1は、全体として、物語が進むペースが遅かったのと、北欧神話についての知識が少ないと、物語の面白さを感じるのが、少し難しいような物語の構成でしたが、シーズン2は、その点が改善されていたように感じます。

 

シーズン2では、マグネだけでなく他の主要な登場人物も、どんどん北欧神話の世界に引き込まれていくので、物語に躍動感がありました。一気にファンタジー感が強まりましたね。

 

シーズン1を見た後、自身の勉強のために、北欧神話について勉強したのですが、シーズン2を見た後に、改めてこの記事を見ると、作品の答え合わせが出来て、面白かったです。

 

北欧神話について全く知らないから、「ラグナロク」の話がイマイチついていけないという人向けの北欧神話のお話です(シーズン1のネタバレあり)

www.natsuminscandinavia.com

 

 

 

現代社会の問題に立ち向かう理想と現実

この物語の主軸にあるのが、ヨツール家が経営する大企業による長年の環境破壊や社会問題に立ち向かうマグネや住民たちという対立構造です。

 

シーズン1の終盤で、ヨツール工業のこれまでの行いが明らかになり、エッダの飲料水は、工業汚染に見舞われていることが判明しています。

 

飲料水汚染問題に対して、若者目線での問題提議と大人目線での問題提議がくっきりと描かれていますが、実に現実的な描かれ方で、興味深かったです。

 

ヒーローものでありがちなのが、社会問題が浮き彫りになると、ニューヒーローが、悪に立ち向かい、問題を解決するというシナリオだと思います。しかし、現実世界では、そんな簡単に問題が解決するはずはありません。(そんなに簡単に解決するなら、この世に問題なんて存在しないでしょう…)

 

特に、長年エッダの経済を支えてきた大企業であるヨツール家と対立するわけですから、権力、汚職、経済、雇用などなど、さまざまな側面で、困難が立ちはだかるわけです。また、若者と大人とそれぞれの立場が異なるだけでも、問題提議に対する考えが、若干異なってくるのも、リアル描写でした。

 

現代に北欧神話のエッセンスを加えることで、物語が一層ファンタジー感を強める反面、物語のベースで扱われているテーマや描写が非常に現実的なので、メリハリを感じるシーズン2だったと思います。

 

 

 

北欧の価値観

「ラグナロク」は、北欧らしいの価値観を垣間見ることができる良作だと思います。特に、シーズン2では、古の時代より生きるヨツール家の女主人ランと、現代のノルウェーで活きるマグネとラウリッツの母親のトゥリドから、さまざまなことを感じ取ることができるのではないかな…と思います。

 

息子のラウリッツが、自身の性のアイデンティティや恋愛などに悩んでいると、トゥリドはラウリッツを否定するでもなく、自然に息子の話し相手になります。トゥリドの言葉は、心地よいものばかりなんです。例えば、自分の息子がラウリッツと同じように悩んでいるとき、自分は、トゥリドのように語りかけることができるのかな…と考えてしまうほどでした。

 

一方、ランは、古くから家に伝わる規則を重んじ、家長は男(長男)であるべきといったように、古い価値観を大切にしています。(それ故に、今時の若者である娘のサクサとは、激しく対立してしまいます。)

 

北欧というと、ジェンダー平等という印象がありますが、男女平等の社会に近づくのは、ほんの最近の話。それこそ、おじいちゃんやおばあちゃん世代には、男尊女卑的な考え方が、まだまだ沢山ありました。だからこそ、大昔から生きる巨人たちのランが、古き時代の女性観や価値観を大切にしてしまうのも、物語として非常に理解できますし、トゥリドを含めた現代人との価値観の対比を際立たせる演出になっていて、物語としての深みを感じることができますね。

 

どちらにせよ、登場人物の立ち回りや発言は、北欧の社会が舞台なだけあるな…と感心してしまうものばかり。日本で作られる作品との違いを痛感させられますが、世界では、このレベルの作品を作るのが当たり前になりつつあるのかなと思うと、この現実をシカと受け止めなければならないと思います。

 

 

 

 

まとめ

「もしかして、シーズン2って、シーズン1よりめちゃめちゃ面白かったのでは??」と巷で話題のNetflixオリジナル作品「ラグナロク」!シーズン1よりも、さらに北欧神話のエッセンスが加わったことで、物語の奥行が広がりましたね。

 

まだシーズン3のアナウンスはありませんが、恐らく、続きがありそうな雰囲気なので、気長に待ちましょう~~~!!!

 

 

www.natsuminscandinavia.com

www.natsuminscandinavia.com