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中国人料理人との心の交流を描いたフィンランド映画「世界で一番しあわせな食堂」を見た感想!

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2021年2月19日より日本で公開されているフィンランド映画「世界で一番しあわせな食堂」、観ましたよ~!!ミカ・カウリスマキが監督を務める作品ということで、日本でも注目を集めています。

 

北欧フィンランドのラップランド地方に突然やってくる中国人シェフとその息子、現地のフィンランド人たちが、食を通じて、文化の違いを理解し合っていく姿を描いた心温まる映画です。

 

【目次】

 

 

作品紹介

 

「世界で一番しあわせな食堂」(原題:master cheng)

公開:2021年

時間:1時間54分

音声:英語・フィンランド語・中国語

字幕:日本語

 

 

 

あらすじ

 


映画『世界で一番しあわせな食堂』予告編

 

「フォントロン」を探して、中国上海からフィンランドのラップランド地方の小さな村にやってきた料理人のチェンとその息子。ゆく当てもない親子が出会ったのは、小さな食堂を営むフィンランド人、シルカ。シルカの食堂で、チェンが中国料理を振舞ったところ、その旨さが大評判に。シルカは、チェンに食堂を手伝ってもらう代わりに、「フォントロン」を探す約束をする…。

 

 

 

登場人物

 

シルカ

フィンランドのラップランド地方の小さな村で食堂を営むフィンランド人女性。チェンと出会うまで食堂では、フィンランドの定番料理を提供していた。

 

 

チェン

中国の上海で、一流の料理人。「フォントロン」を探すため、息子とともにフィンランドに訪れる。

 

 

 

感想

 

北欧フィンランドのラップランド地方の美しい情景とフィンランド人

 

この映画の舞台は、北欧フィンランドの北部、ラップランド地方の夏。映画の中では、ラップランド地方の情景が、沢山映し出されているので、ラップランド地方が持つ美しい夏の大自然を思う存分に楽しむことができます。観ているだけでも、フィンランドに旅をした気分になるぐらい。

 

この映画で垣間見ることが出来るTHE フィンランド的な描写は、自然だけではありません。フィンランド映画といえば定番のサウナにとどまらず、フィンランド料理やラップランド地方の人々の暮らしぶりも、この映画の見所です。

 

特に、シルカの食堂に集う常連客のフィンランド人おじいちゃんたちが、可愛らしすぎて、ツボでした。

 

普段フィンランドの定番飯ばかり食べていたおじいちゃんたちは、チェンが作る中国料理を初めて目の当たりにしたとき、抵抗感を示しながらも、興味津々。

 

このあたりの描写は、「かもめ食堂」に登場するフィンランド人のおばあちゃんたちに、そっくりですね。

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なんだかんだ文句を言いながらも、チェンが作る料理を口にしたとき、素直に美味しいと笑みがこぼれて、チェンのファンになってしまうシーンは、ほっこりしすぎました。

 

それに、食堂に集まるフィンランド人たちが、優しいキャラクターなのも、良いですよね。正直、見ず知らずのアジア人を助ける義理なんてないはずなのに、なんとなく、みんなが困っているチェン親子を助けてくれます。

 

ミカ・カウリスマキの弟で、同じく映画監督のアキ・カウリスマキの作品「希望のかなた」は、ストーリーのテイストは異なりますが、本作と似たように、特に助ける義理もないはずの難民を助けるフィンランド人が描かれています。フィンランドにおける、人とのつながりや思いやり方を、感じることができるなと思います。

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ミカ・カウリスマキもアキ・カウリスマキも、劇中で使用する楽曲が、どこかレトロで特徴的。また、彼らが描くフィンランド人は、非常に愛らしい。

 

 

 

世界で一番しあわせな食堂とは…

 

北欧映画の邦題は、「しあわせな○○」と名付けられることが多いですが、それは、北欧が、世界幸福度ランキングで、毎年上位を占めることに由来しています。(特に、フィンランドは、近年、1位を維持していますよね。)

 

 

 

何でもかんでも、北欧映画に「しあわせな○○」とネーミングするのは、センスがないのではないか…という個人的な意見は、さておき、そういう風に、名前を付けたくなる気持ちも分からなくもないのが、本作を含め、ほんわかする北欧映画の特徴なのかな…と感じます。

 

北欧幸福論が語られるとき、必ず反対派の意見も目にします。北欧は、物価が高い、冬は暗すぎ・寒すぎ、自殺率が多いなどなど。

 

ランキングの上位になるというだけで、それは、全ての人にとっての幸福には、結びつかないというのは、ごもっともです。確かに、個人における幸せの条件が、それなりに揃わないと、幸福を感じて生きるには、少々ハードな土地なのかなとは思います。(こればっかりは、北欧に限った話ではありませんが…。)

 

ただ、なにかの条件を指数化したランキングで、常に上位というのは、それなりに、幸福のヒントが隠されているのだろうと思うのは、私だけでしょうか?

 

そういう意味では、「世界で一番しあわせな食堂」の登場人物たちから、北欧では、どのような瞬間に、人は、ふと幸せを感じるのか、その一瞬を垣間見ることができるのではないかなと思います。

 

 

しあわせな○○北欧映画のレビューは、こちら

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まとめ

物語としては、少々べたな展開だけど、スッと心に馴染むシンプルさと心地よさ。現実世界では、そんなに上手くいかないだろうとツッコミを入れたくなるかもしれないけれど、それでも感じるリアリティー感のバランスも良かったです。

 

北欧における幸福を考えていたら、以下の本も読みたくなりました。

 

 

結局のところ、よそを見て、アレもコレも欲しくなっちゃうから、満足な幸せを感じられないのかもしれないですよね。

 

 

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